転職して後悔・・・年収を下げる転職には要注意。
すでに私は2度ほど転職している。いまの会社は3社目だ。新卒よりも中途が多いので転職組にとっては居心地が良い。
新卒だけで固められた会社に転職してしまうと中途は肩身が狭いものである。同期の結束は固いし、“入社〇年目”という物差しで相手との上下関係を測ったりする(らしい)。また出世も新卒のほうが有利だったりする。
幸いにも私の職場は中途が多いので、人間関係はフラットだし、中途・新卒で有利不利はない。同じシマの後輩君も転職組だ。
転職組の話は面白い
一緒にランチするときには後輩君と色々な話をする。結婚生活、仕事、お金のことなど、ざっくばらんに話している。
聞くところによると前職は上下関係に厳しく、職場での飲み会があった翌日には先輩職員、上司全員に「昨日はありがとうございました」と挨拶をしないといけない職場だったらしい。
そういえば彼の歓迎会をやった翌日、朝から上司や先輩が来るたびに「昨日はありがとうございました」と律儀に挨拶をしていた。そのたびに上司たちは「え?なにが??」とビックリしていた。
また、朝は本来の出勤時刻よりも1時間早く出社するのが暗黙のルール。転職してからも同じだと思ったのか、「みんな定時に来れば良いと言うんですけど、本当は何時にくれば良いんでしょうか?」と困った顔で聞かれたものである。
会社によって文化は全く異なる。そんなわけで転職組の話を聞くのは面白い。
年収を下げる転職で後悔している後輩君
私からすると後輩君の前職は上限関係もノルマも厳しいブラック職場のように思うのだが、後輩君は気にならなかったらしい。そして給与の面は恵まれていたようだ。
後輩君は「うちって給与が低いじゃないですか」と嘆く。
年収を下げることは分かっていた上で転職しているのだが、やはり現実では割り切れない。「ああ転職していなければ今頃は・・・」と思ってしまうのが人間の性だ。
ましてや、結婚して今後の人生を計画する段階になってから、より一層 “お金”の重要性を感じてきてしまったことだろう。
嫁と年収が近くなってしまったので、発言権も下がったそうだ(年収と発言権が比例するという考え方は金融業界にありがちな思想であるが、私は好きではない)。
そんな後輩君の嘆きを聞くと、「今と前職と、どれくらい年収が違うんだろう?」と素朴な疑問が湧いてきて、つい彼の前職の年収をググってしまった。
ふむふむ・・・なるほど。
たしかに差は明確だ。これは後悔するかもしれないなぁ。
大事なのは年収か、働きやすさか、仕事内容か
「うちって給与が低いじゃないですか」という後輩君の嘆き。
同じ転職組だから言える愚痴だと思うものの、それを聞く私は「そうか、うちって給与低いのか」と少し落ち込む。まぁたしかに私も前職より下がっている。
とはいえ前職は忙しくて、とてもじゃないが結婚&育児なんて無理だったし、出世競争も激しくてUP or OUT という風土だったから、いずれにせよ長くは働くことはできなかっただろう。
ということで、年収が下がったことは気になっていない。むしろ「こんなにノンビリ働かせてもらってるのに、お金貰って良いんですか?ありがとうございます!」と感謝しているくらいだ。
“仕事が退屈” という点では困っているが、そのおかげで休みは取りやすいし、子育てするには快適だとも感じている。
明確な理由がない限り、年収を下げる転職は後悔する
後輩君のみならず、年収を下げる転職を後悔している人は多いようだ。
「いまの会社で役員まで上がっても前職の年収に到達できないと知ってモチベーションが下がっている」という話も聞く。
どうにも人は今置かれている環境の“良いところ”は忘れてしまいがちで、“悪いところ”に目が行きやすい。その場の雰囲気で転職したは良いものの、後になって前職の“良いところ”に気が付く。
こと年収というのは分かりやすい指標なので、比較してしまう。
明確な理由がない限り、年収を下げる転職は踏みとどまった方が良さそうだ。