国家公務員の年収や福利厚生は?官費留学も魅力的!
こんにちは。東大OGのエムです。
とうの昔に霞ヶ関からは卒業してしまった私ですが、国家公務員になるための方法や内情について紹介する記事をいくつか書いてみたいと思います。
今回は、シリーズ第3弾「国家公務員の年収や福利厚生」について紹介します。
国家公務員の給与
ここでの国家公務員とは総合職Ⅰ種、いわゆる官僚とします。
国家公務員の基本給は内閣官房のHPにて公開されています。
俸給表というものに「職務の級(11級)」と年次で決まる「号俸(125号)」で基本給が定められています。
総合職Ⅰ種の国家公務員であれば、30歳を過ぎる頃ほぼ自動的に課長補佐まで昇進できます。
男女差は特になく、女性であっても活躍しやすい職種であることは間違いありません。
国家公務員の年収モデルケース
年齢 |
職位 |
月額 |
年収 |
22歳 |
係員 |
231,040円 |
3,835,000円 |
25歳 |
係長 |
273,100円 |
4,536,000円 |
35歳 |
課長補佐 |
440,600円 |
7,314,000円 |
50歳 |
課長 |
742,440円 |
12,533,000円 |
- |
局長 |
1,074,000円 |
17,804,000円 |
- |
事務次官 |
1,410,000円 |
23,374,000円 |
国家公務員の初任給
総合職Ⅰ種で入省した場合、大卒では231,040円と公開されています。賞与を4.4月とすると年収は約380万円程度となります。残業次第では年収500万円に到達するのではないでしょうか。
国家公務員の残業代
ちなみに予算の都合上、所属している省庁および部署によって残業代をフルにつけられるかどうかは異なります。これが労基法に違反しないかどうか不思議なんですが、本来は労基法に従うべき厚生労働省は予算がないのでサビ残当たり前文化のようです。
国家公務員30歳の年収
総合職Ⅰ種で入省した場合、30歳前後の年収は残業代も含めて700~800万円レンジと予想されます。外資証券や外資コンサル、商社に比べると「年収が低い」と言われますが、その他の日系大手企業に比べて特段に低い訳ではありません。
国家公務員 課長の年収
総合職Ⅰ種で入省したとしても全員が課長になれる訳ではありません。限られたポストについた課長の年収は約1,200万円とされています。
国家公務員 局長の年収
さらに局長ともなると枠数は激減しますので、同期のなかでも局長に上がれるのは数名程度になります。そんな局長の年収は約1,800万円とされています。
国家公務員 事務次官の年収
事務次官は官僚トップの座となりますので、同期の中に到達できる者が1人いるかどうか・・・というレベルです。出世競争を勝ち抜いて到達したポジションである事務次官の年収は約2,300万円とされています。
官僚の年収は低いのか?
世間一般の平均年収から比較すれば決して低い訳ではありませんが、外資証券、外資コンサル、商社、マスコミなどと比べてしまうと見劣りしてしまうのが実態です。
昔は、事務次官、局長などのポストまで登りつめれば、その後に「天下り」先に転職することで退職金&そこそこの給与を貰えることが出来たので、生涯年収は潤沢だったと思われます。
・・・が、昨今は「天下り」に厳しくなっています。2018年度にも「天下り」と見做された元文科省OBが処分されてしまう事例がありましたし、今後も「天下り」は取り締まられていくことでしょう。
元官僚で客員教授になった方が「官僚は旨味がなくなったよ。いまの若い官僚は、安くコキ遣われて可哀そうだ・・・」と嘆いていたのを思い出します。
国家公務員の賞与
国家公務員の賞与は “民間に準ずる” とされているので、民間の動向によって毎年変動します。平成において最も高かったのは平成3~4年度の5.45月。最も低かったのは平成22~25年度の3.95月です。平成30年度以降は4.45月となっています。
国家公務員の福利厚生
国家公務員の住宅手当
賃貸住宅に住んでいる場合の住宅手当は月27,000円となります。独身でも既婚でも27,000円に変更はありません。(なので結婚すると、ちょっぴり損した気持ちに…笑)
また、国家公務員向けの宿舎が用意されており、単身者であれば月額8,000円程度の家賃で住むことができます。ただし場所を選ぶことはできず空いている部屋をランダムに当てがわれます。
3LDKの世帯用住居を3人でルームシェアすることもあります。10歳ほど離れた先輩と同居することもあり、同居相手によっては緊張感を強いられることもあるようです。
国家公務員の扶養手当
他には扶養手当(配偶者や子ども)もあり、1人あたり10,000円程度が支給されます。
国家公務員の魅力 官費留学
官費留学は国家公務員の福利厚生とも言えるのはではないでしょうか。毎年、各省庁で数名が選抜されて海外留学に向かいます。
TOEFLなどのスコアをクリアする必要はありますが、「行きたい!」と希望している人は(周囲を見る限りは)ほぼ漏れなく留学しているようです。
留学費用はもちろんのこと、留学している間の給与も出るのが嬉しいところ。留学生活は勉強で忙しく旅行気分とは言えませんが、お金を貰いながら大学院に通えるというのは国家公務員の魅力ではないでしょうか。
まとめ
国家公務員の年収や福利厚生について紹介させていただきました。
年収は「高い訳ではないけれど低い訳でもない」といったところかと思います。
国の重要な政策を立案・遂行していくという点ではダイナミックで楽しい仕事も出来ると思いますし、民間企業との関係性においては優位な立場にあり、外部交渉においてストレスの低い仕事ではあります。
熱意ある勉強熱心な同僚と仕事ができる、というのも、目に見えないメリットの一つかもしれません。
わたしは早々に卒業してしまいましたが、働く場所として悪くないと思いますよ!