東大女子の戯言

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フレックスタイム制は働きやすいのか?損する人、得する人が出そうな予感。

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フレックスタイム制で損する人、得する人

 

2019年4月、働き方改革の一環としてフレックスタイム制の法改正が行われました。

 

国家公務員も2016年からフレックスタイムが導入されており、7時に出社して15時に退社するということも可能となっているようです。

 

国としては一般企業にもフレックスタイム制の導入を勧めたいようですが、フレックスタイム制とは本当に働きやすいものなのでしょうか。

 


フレックスタイム制を導入している企業は減少傾向

こちらは内閣府HPに公開されているフレックスタイム制を導入している企業数の推移表です。

 

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フレックス導入企業は減少傾向

 

導入している企業は、従業員1,000人以上の大企業が多いようです。

 

ピーク時は平成8年度で約40%まで到達しそうな勢いですが、その後は減少傾向にあり平成27年度では21.7%まで減少しています。

 

ちなみに平成30年度では24.4%に少し回復しているようです(厚生労働省「平成 30 年就労条件総合調査の概況」より)。

 


フレックスタイム制のメリット

フレックスタイム制とはコアタイムを10~15時などに設定し、出勤時刻や退勤時刻は個人が自由に決められる制度です。

 

長く働く日もあれば、短く働く日があっても良くて、1ヶ月(もしくは3ヶ月)のなかで勤務時間の合計の帳尻が合えば良いという仕組みです。

 

厚労省はフレックスタイム制のメリットとして以下を掲げています。

 

フレックスのメリット①自由度の向上

労働者にとっては、日々の都合に合わせて、時間という限られた資源をプライベートと仕事に自由に配分することができるため、プライベートと仕事とのバランスがとりやすくなります。

 

フレックスのメリット②労働生産性の向上

フレックスタイム制の導入によって、労働時間を効率的に配分することが可能となり、労働生産性の向上が期待できます。

 

また、仕事と生活の調和を図りやすい職場となることによって、労働者に長く職場に定着してもらえるようになるなど、使用者にとってもメリットがあります。

 


フレックスタイム制にはデメリットもある

当然のことながら、フレックスタイム制にはメリットだけではなくデメリットもあります。

 

平成8年度から現在に至るまでフレックスタイム制を導入している企業が減少しているのは、「デメリットによる弊害のほうがメリットを上回る」と判断した企業が多いということの表れなのでしょう。

 

では、一体なにが問題なのでしょうか。

 

フレックスのデメリット① ルーズな社員の管理が大変

フレックスタイム制が導入されると、「いつ来ても大丈夫」という安心感から、時間管理が下手なルーズ社員のルーズさを増長してしまう恐れがあります。

 

9時30分出社で全員が揃っているという緊張感がないと、ルーズな人は時間を守ることができません。

 

「遅く来たぶん、遅く帰ればいいんでしょ」とダラダラと意味もなく会社に残るかもしれません。このような態度は、周囲の士気も下げてしまうでしょう。

 

マネージメント層は管理が大変だろうと予想されます。

 

(私はルーズなので、フレックスタイムになったら自制できる気がしません笑)

 

フレックスのデメリット② 会議調整が大変

何時に人が集まるか分からないとなると、会議を設定できるのは “コアタイムだけ” ということになります。

 

コアタイムは会議が集中してしまって、全員が集まるように会議を調整するのも一苦労でしょう。

 

会議室も予約で埋まって、なかなか取れないと予想されます。

 

(そもそも日本企業は会議が多すぎ、という説もありますが…)

 


フレックスのデメリット③ 業務が非効率化

仕事が一人で完結するタイプのものではない場合、同僚と相談しながら業務を進める必要があります。

 

上記②と近いですが、全員が揃っている時間帯が短いほど、業務の効率化は下がってしまうでしょう。

 

メールで作業を投げるよりも、直接対面で「これは~~という意図なので、~~という感じでお願いします!」と依頼したほうが、ニュアンスは伝わりやすいものです。

 


フレックスのデメリット④ 社内のコミュニケーションが減る

また同じ時間に出社していれば自然と朝の挨拶もなされるものですが、フレックスタイムになると出社時間がバラバラなので挨拶が減少するという影響もあります。

 

社内のコミュニケーションが減ってしまうと、人間関係もぎこちなくなってしまうかもしれません。

 

フレックスのデメリット⑤ 時間休暇が取れなくなる

フレックスタイム制を導入する企業は、時間休暇を廃止してしまう or 時間休暇はコアタイムだけに限定してしまうことが多いようです。

 

「他の日に調整できるんだから、それで対応してよね」という意図だそうです。

 

でも、これって私のような子育て中の社員にとっては大問題です。

 

朝も夕方も残業する余地なんてないので、他の日に調整することもできないのです。

 

保育園から「お子さん、発熱しました!」という呼び出しで15時に早退した場合、15時~16時に時間休を充てているのですが、

 

もしもフレックスタイムになると早退した1時間分は減給になるようです。

 

これは結構イタい・・・(泣)


フレックスのデメリット⑥ 残業時間の増加を招く

フレックスタイムになると勤怠管理を1分単位で記録する人が増えると予想されます。

 

これまで9時30分出社で早めに到着していた人は、9時15分から出勤しているという扱いになります。

 

ちょこちょこと5分や10分でも早めに来て労働時間を積み立てたら、意外と馬鹿にならない時間になります。

 

5分だって20日あれば100分!

 

10分なら20日で200分ですからね!

 

これなら残業ができない私でも積み立てられます(笑)

 

マネージメント層は「今日、どのくらい残業しているのか」が把握できないので、部下が勝手にチリ積の残業貯蓄をしてしまうリスクがあります。


フレックスのデメリット⑦ 残業代抑制のリスクもあり

上記⑥と裏表の関係で、月末になってマネージメント層が「残業管理」をすることも考えられます。

 

月末になると「今月は残業時間が出てしまっているから、残りの数日はコアタイムしか来ちゃダメ」という指示が出る恐れも・・・。

 

コアタイム以外も働きたいと思っていても、働く許可が下りないかもしれません。

 

従来であれば忙しい時期に働いた分は残業代として支給されていたものが、残業代として支払われず、(本人の希望していない)勤務時間カットで済まされてしまう。

 

代休や振替休日なんかも、残業代抑制のために使われている制度ですしね。

 

有給は使い切れずに残って・・・勤務時間だけ無理やり減らされて・・・

 

え・・・つら・・・(泣)


フレックスタイム制は真面目な社員が損をする!?

 

おそらくフレックスタイム制は、マネージメント層や真面目に働く社員にとっては望ましくない結果をもたらすのではないでしょうか。

 

逆に、不真面目な社員は、5分の積立貯蓄で残業代を稼ぎにいきそうです。

 

ということで私はフレックスタイム制の導入は嬉しくないと思っているのですが、どうなんでしょうね。

 

みなさんは、どう思いますか?