代理出産や養子縁組という親子の形。血がつながってなくても子どもは可愛い。
日本ではあまり聞かないが、アメリカでは代理出産ビジネスが流行っているらしい。
同じアメリカ人夫婦のみならず、中国人夫婦からも依頼があったりと国際的なビジネスになっているのだとか。
10ヶ月間もお腹のなかで子どもを育てていたら愛着が沸いてしまって、なかなか手放せないんじゃないか?
なーんて若かりし頃は思っていた。
いざ自分が妊娠してみると、やはりお腹のなかで子どもがウゴウゴと動く様子を見ると可愛いし、愛おしい気持ちになった。
ところが、だ。
出産してみてから考えが変わった。
出産しても、すぐには「自分の子ども!愛おしい!」とは思わなかったのだ。
産後ハイになる人は逆に「天使を産んだ!」という気になるらしいけれど、私や周囲の話では「突然、まったくの未知の生物が表れたような感覚」という感想が多かった。
少しでも油断したら死んでしまうような生き物を、大事に大事にお世話していくうちに、“愛おしい”という気持ちが育っていったように思う。
別に自分で産んでなくても、血がつながってなくても、特にその感情は変わらないような気がしたのだ。
代理出産であれ、養子縁組であれ、一緒に暮らして信頼関係を築くことができれば、子どもは可愛い。
産む前は分からなかったけど、今はそんな風に思っている。
「ママ!ママ!」と呼びながら抱っこを求めてくる息子は、抱っこしてあげると満足そうに笑顔になる。ママのことを全面的に信頼しているようだ。
うむ、可愛い。
君が何者であっても可愛い存在であることは間違いないよ、とママは思う。